公益社団法人 日本紅卍字会会報(61号) 2025年 9月    

【会報61号 目次】
1. 名句あっぷ             ……一色源太郎
2. 烈士列女伝             ……一色源太郎
3. 事務局からのお知らせ
4. 展望台―9―             ……黒川謙介
5. 功行費(2025年6月〜2025年8月)
6. 積善箱(2025年6月〜2025年9月)
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1、名句あっぷ(古今の名句、名言を紹介します)

因幡の源左(鳥取県の農夫・1842年4月18日~1930年2月20日)
 因幡の国(現鳥取県)の青谷で江戸末期の天保年間に源左は生を享けました。
 農業を営む父善助は、40歳の頃にコレラに罹患し苦しみながら世を去ったとされています。 臨終の前に18歳の源左に対し、自分がいなくなったら親様(阿弥陀如来)を頼め、と言い残したと言います。
 父の死後、源左は「生死」「親様」「お任せ」などについて理解を得ようとして十数年間煩悶していました。お寺の説法を聴いたり京都の 仏教学者から答えを引き出そうとしたり求道の思いに満たされながらも、自分の疑問を拭うことが出来ませんでした。
 ある夏の日、源左は牛を連れて農地の草刈りに行きました。刈り取った草を牛の背の乗せ、一束だけ自分が背負い帰路に着きました。 帰り道に突然激しい腹痛に襲われた源左は動けなくなってしまい、仕方なく自分が背負っていた一束の草を牛の背に乗せました。
 その途端、あれほど激しかった腹痛がすっかり治ってしまいました。この瞬間、源左は「親様に任せきる」ことの真義を得たと述懐しています。
以降の源左は、法身に生まれ変わったかのように阿弥陀如来に全託する生活を送り、多くの人が感化される言行を残すようになりました。 草を牛と共に背負った際の一事は、源左が正覚を得る天機を与えられたものと思われます。
 一灯園を主宰する西田天香師もその名声は広く伝えられ、高い徳行、逸話が数多く残っています。ある時、源左が西田天香の講話を聴こうとして 会場に向かいましたが、会場に着くと既に講演が終了していました。講話を聴くことが出来なかった源左は、西田天香の門人にお願いして 疲れを労う為のマッサージを奉仕させて頂きたいと願い出ました。
 マッサージの最中、西田から今日の講演の題目を聞いた源左は何か独り言を呟いでいました。源左が口にする言葉を聞いた西田は 驚いてしまい、「こんな傑物に足を揉ませるなんてとても出来ない」とマッサージを止めてもらったそうです。達人同士、触れ合うとすぐに 分かるものなのですね。
源左は確かな実感として阿弥陀如来による魂の救済を得ていました。その確信は多くの人に信仰の在り方を示すものとなりました。
 「助かるとも。一人残らず助かる。おらのような悪人でも助かるんだから、まったく心配はいらんだいのう。」 (因幡の源左)
                
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2、烈士烈女伝(前漢の劉向による『列女伝』に倣い、社会福祉に献身した人たちを紹介します)

烈士:フレデリック・ダクラス
 フレデリック・ダグラス(1818-1895)は、アメリカの奴隷制度廃止運動家、作家、演説家、そして政治家でした。 彼はメリーランド州で奴隷として生まれ、自力で読み書きを学び、後に逃亡して自由を獲得しました。彼の人生と功績は、 アメリカの奴隷解放運動と公民権運動に大きな影響を与えました。
 生涯 ダグラスは、メリーランド州タールボット郡で奴隷の母から生まれました。幼少期に読み書きを学ぶ機会を得て、 この知識が彼の人生を大きく変えることになります。彼は1838年に逃亡し、マサチューセッツ州ニューベッドフォードに定住しました。 その後、彼は奴隷制度廃止運動の著名な演説家となり、自身の奴隷としての経験を語ることで聴衆を魅了しました。
主要な功績
① 奴隷制度廃止運動
 ダグラスは、アメリカ全土で奴隷制度の非人道性を訴える演説を行い、その力強い言葉と 説得力で多くの人々の心を動かしました。彼は奴隷解放運動を推進する新聞「ノース・スター」を創刊し、「正義に性別はなく、 真実に色はない。神は私たちの父であり、私たちは皆兄弟である」というモットーを掲げました。また、彼は南北戦争中、 エイブラハム・リンカーン大統領と会談し、黒人兵士の北軍への入隊を促すなど、政治的な面でも積極的に活動しました。
② 著述活動
 ダグラスは、3冊の自伝を執筆しました。中でも、1845年に出版された**『フレデリック・ダグラスの生涯の物語』**はベストセラーとなり、奴隷の過酷な生活を世に知らしめる上で重要な役割を果たしました。彼の著書は、奴隷制の残酷さを告発するだけでなく、文学的な価値も高く評価されています。
③ 婦人参政権運動
 奴隷制度廃止運動と並行して、ダグラスは女性の権利、特に婦人参政権の擁護者でもありました。 彼は、エリザベス・キャディ・スタントンやスーザン・B・アンソニーといった女性活動家たちと協力し、性別に関係なく すべての人が平等の権利を持つべきだと主張しました。
政治家としてのキャリア
 南北戦争後、ダグラスはハイチ駐在アメリカ公使やコロンビア特別区の記録官などを歴任し、 政治家としても活躍しました。1872年の大統領選挙では、アフリカ系アメリカ人として史上初めて副大統領候補に指名されました。 これらの功績は、後の公民権運動の礎を築きました。
ダグラスは、奴隷という境遇から自らを解放し、アメリカ社会の改革に生涯を捧げた偉大な人物として、今もなお語り継がれています。

列女:ジェーン・アダムス
 ジェーン・アダムスは、アメリカ合衆国の社会事業家、平和運動家、女性運動家であり、ソーシャルワークの先駆者として知られています。
生涯とハル・ハウスの創設
 アダムスは1860年にイリノイ州で生まれ、若い頃から社会貢献への強い関心を持っていました。ヨーロッパ旅行中に、ロンドンの貧しい 労働者地域にある慈善施設「トインビー・ホール」に感銘を受け、同様の施設をアメリカに設立することを決意します。
 1889年、アダムスは友人のエレン・ゲイツ・スターとともに、シカゴのスラム街にハル・ハウスを設立しました。これは、 貧困層や移民が抱える問題の解決を目指す「セツルメント運動」の中心となり、地域住民に託児所、教育プログラム、医療サービス、 職業訓練などを提供しました。ハル・ハウスは、単なる慈善施設ではなく、貧困の根本原因を調査し、社会の仕組みを改善するための 社会改良運動の拠点となりました。
社会改革と平和運動
 アダムスは、ハル・ハウスでの活動を通じて、児童労働の廃止、公衆衛生の改善、女性の権利向上など、 様々な社会改革運動に尽力しました。特に、児童保護や移民の生活支援は有名です。彼女は女性として初めて全米慈善・矯正会議の会長に選出され、 社会福祉界で最も影響力のある人物となりました。
 しかし、第一次世界大戦が始まると、アダムスは反戦・平和主義を強く主張したため、公的な立場を失い、「最も危険な女性」と 非難されました。それでも彼女は信念を貫き、1919年には婦人国際平和自由連盟を創設し、平和運動に精力的に取り組みました。 ノーベル平和賞と死
 1931年、アダムスは長年にわたる社会改革と平和運動の功績が認められ、アメリカ人女性として初めてノーベル平和賞を受賞しました。
晩年も社会問題への関心を失わず、1935年に74歳で亡くなるまで、社会保障制度の成立に貢献しました。彼女の思想は、 今日の社会福祉や社会学の発展に大きな影響を与え続けています。

3、事務局からのお知らせ

定款変更の件 
 去る5月に開催された定期会員総会において、定款変更が承認されました。変更の目的は慈善事業 の対象を広範囲に設定可能にすることです。 義援金付与は、これまでは主として自然災害被災者に対して行ってきましたが、今回の改定により、自然災害、戦災、貧困、疾病、社会的差別、 その他さまざまな事情によって支援を必要とされる方々に対して、支援をすることができるようになりました。今後はより広範囲な慈善事業の対象を 視野に入れて参ります。

蔡雅蘭氏ご逝去  
 長期に亘り、我々会員に各種のご指導・ご支援をされてこられた蔡雅蘭氏(通称スミさん)が去る7月3日に82歳でご逝去されました。 同氏は日本に62年間暮らされたそうです。謹んでご冥福をお祈りいたします。
 なお、妹さんのルーシーさんは「スミを偲ぶ会」を下記の通り実施されるそうです。ご参加の方は事前に事務局にお知らせください。
・日時:2025年10月29日(水) 12:30~15:00
・場所:外国特派員協会 (東京都千代田区丸の内3-2-3 丸の内二重橋ビル5F TEL:03-3211-3161    
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4、展望台-9
「マイクロプラスチック問題」
 私たちの日常生活は、プラスチックに溢れ返っています。安価で軽く加工しやすいプラスチックは、耐久性も高く、第2次世界大戦後、 世界で最も普及した人工素材と言われています。プラスチックは石油を原材料としており、当面は資源の枯渇も心配無用です。用途としては 家電・自動車・各種機械・消費財・生産財などのあらゆる製品・部品、並びに食品や製品の包装素材です。しかし、それらが廃棄される場合は 所謂「プラごみ」になります。そして、近年この「プラごみ」が問題を起こし始めました。問題となる現象はその多様性ゆえに様々な側面を持っており、 ひき起こす諸問題も多岐にわたります。例えば海に流出すると直接的に海洋生物への被害が出ることがあります。ウミガメがポリ袋をクラゲと 間違えて飲み込み消化されずに死に至る。巨大な漁網が海の生態系に損傷を与える。海洋生物が飲み込むとプラごみの先端部が消化器官に損傷を与え、 あるいは繁殖力の低下や卵細胞の減少、精子の運動能力低下など様々な弊害を起こすそうです。一方、屋外に放置された場合、紫外線によって 劣化が起き、プラスチック製造時に使用される種々の添加剤が溶出し、あるいは環境ホルモン(生物が本来持つホルモンの作用をかく乱する)を 排出します。燃焼されると不要な二酸化炭素を排出します。基本的には人工素材であり、土には還りませんので、それだけで反環境物質という位置に あります。
 ASEAN諸国やグローバルサウスのインド、中国などでは、経済発展によってプラスチックの使用量が増加していますが、日本や欧米先進国のような 廃棄物の公共回収システムを整備しきれておらず、家庭ごみの河川への投棄や、野積みされた廃棄物の河川流出などにより、膨大な海洋「プラごみ」 が発生しています。勿論先進各国においても、一定量の流出は発生しており、回収システムにも各種の瑕疵があります。
 かくして一旦海洋に流出したプラスチックは、最終的に分解されるまでに数十年から数百年掛かると言われています。 世界経済フォーラム(ダボス会議)は2016年に、少なくとも年間800万トンのプラスチックが海に流出しているとの推計を示しています。 ここで問題になっている海洋プラスチックの8割以上は、陸上で発生し、海に流入したものです。つまり、元々海上で然るべく使用されていたもの ではありません。中でも特に多いのは、使い捨てが中心の「容器包装素材」で、この用途に使われるプラスチックは、世界全体のプラスチック生産量の 36%、世界で発生する「プラスごみ」の47%を占めているそうです。それらは海流に乗って世界の一定地域の海底に堆積する傾向があり、 日本周辺の海底には世界平均の27倍も堆積しているとのことです。(海洋研究開発機構2024/3/6 ANNニュース)
 この状況下で、取り分け我々にとって問題なのは、人の作為・無作為を問わず水路や河川を通じて海に流出した後、海中で直径5mm以下となる 「マイクロプラスチック」と称される物体の弊害です。流出したプラスチックは太陽光や海流、その他の物理的刺激を受けて次第に細かくなります。 そしてその破片の多くを海洋生物が取り込み食物連鎖を通じて生物間で取り込まれ、その過程で徐々に細かくなり「マイクロプラスチック」になります。 この「マイクロプラスチック」が海洋生物の生活環境や食物連鎖を通じて人体に悪影響を及ぼす事実が解明されつつあり、世界的にも問題視されるようになってきました。それではそれらが人体に取り込まれると、なぜ悪影響が出るのでしょうか。東京農工大学の環境化学者、高田秀重名誉教授による解説は以下の通りです。「プラスチック粒子とプラスチック製品に添加されている有害な化学物質の両方が人の血管や臓器に存在することが確認されています。微細粒子が血管に入れば炎症を起こし詰まるリスクがあります。検出された有害物質は例えば紫外線吸収剤で、人体内ではホルモンの作用が乱され生殖機能に異常が起こることもあります。一方、海に漂うプラスチックは海水中の汚染物質を吸収し濃縮する性質もあります。その添加剤には酸化防止剤・可塑剤、火災を防ぐ難燃剤などには環境ホルモンとして働くものもあるので、全体として有害物質の“運び屋”であり、これらのことから環境負荷がとても高い素材であることが近年の研究で分かってきました。現代は複数の化学物質に曝露されている時代なので、問題のある物質を事後に規制する方法では対応ができないため、プラスチックを可能な限り他の素材に置き換えていくべきです。」(東京新聞2025年6月4日) 近隣のスーパーにて棚を見渡すと、ガラス瓶入りの食材や液体を見出すのはかなり困難で、見出し得たとしても高価なもしかありません。したがって、その道のりは遠く険しいものがあります。
 世界自然保護基金WWFジャパンの海洋保全担当者は、プラスチック汚染は各国バラバラで対応しても対応できないので、原材料の調達から生産、廃棄、 流出迄、全段階に対処する法的拘束力がある国際条約が不可欠と言われていますが、昨年末に韓国の釜山で、また去る8月にはスイスのジュネーブで 行われた政府間交渉でも、プラスチックの生産規制に言及する条約制定に対し、原料を供給する産油国や米国が反対し制定ができずに閉会しました。 このように国際環境にも厳しい現実が取り巻いています。
 8月19日付一般誌の編集者コラムで取り上げていたのは、オーストラリアのニューカッスル大学によるマイクロプラスチックに関する興味深い 調査結果です。それによると、人間は現在魚介類の食物連鎖を通じて、1週間に約5gのマイクロプラスチックを体内に取り込んでいるそうです。 5gとはクレジットカード約1枚分に相当するとのこと。世界平均の27倍も「プラごみ」が周辺海域に堆積しており、魚介類の摂取量が多い日本人の 場合は、この数字から一体何を類推できるのでしょうか。明らかな環境負荷物質であるプラスチックをクレジットカード1枚分も毎週体内に取り込む ことは、いかなる視点から見ても、身体に良好な環境とは言えません。しかし2040年代には、世界のプラスチック生産量は現在の7割増に なるとの試算もあります。したがって、近い将来、人体への深刻な悪影響が必ず顕在化すると思います。そのような局面に対峙したときに、 果たして人知は有効な対応策を見いだし得るのでしょうか。一方、同じ「マイクロプラスチック」でも元々が微細で化粧品や歯磨き粉に含まれている 「一次マイクロプラスチック」、あるいは空気中やはペットボトル内の液体に浮遊する「ナノプラスチック」も問題になりつつあります。 私たちは今後益々、プラスチック素材を回避する意識を持ち続けることが必要です。このままでいけば、クレジットカード1枚分では済みそうにありません。
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5、功行費

令和7年(2025年)
6月分功行費(敬称略) 
○年会費(12,000円、家族6,000円)  
ワールドメイト4,154,000円(集団求修、5月の分)、ワールドメイト4,144,000(集団求修) 
〇寄付金(災害基金、建設基金を含む)
 高橋克弥5,000円、松田英一10,000円

7月分功行費(敬称略)
○年会費(12,000円、家族6,000円) 
楠木昌人、大山明香と家族18,000円、ワールドメイト4,288,000円(集団求修)
〇寄付金(災害基金、建設基金を含む)
 松田英一10,000円、

8月分功行費(敬称略) 
○年会費(12,000円、家族6,000円)
 村山浩樹、山田嶺椿、金澤暘子、ワールドメイト3,403,000円(集団求修)
〇寄付金(災害基金、建設基金を含む)
 村山浩樹3,000円、高橋克弥40,000円、松田英一10,000円、

6、積善箱(敬称略) (25/6/11~25/9/4)
曜ネ古・暐得15,000円、北全了30,000円、石田曜揚1,000円、城田伸子1,000円、無名氏100,000円、無名氏3件3,000円  
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         公益社団法人日本紅卍字会  定     款 (2025-5-24改訂)

第1章  総      則
(名 称)
第1条 この法人は,公益社団法人日本紅卍字会(以下,「本会」という。)と称する。
(事務所)
第2条 本会の事務所は,東京都新宿区(新宿区上落合2-13-21)に置く。
(目 的)
第3条 本会は,日本国内並びに海外において,自然災害,戦災,貧困,疾病,社会的差別、その他様々な事情によって支援を必要とする人々に対して,         中国古典の思想・哲学や文化の真髄を参考にして,正常な社会人としての生活実現へ寄与することを目的とする。
(事 業)
第4条 本会は,前条の目的を達成するため,次の各号に掲げる事業を行なう。 
 (1) 自然災害,戦災,貧困,疾病,社会的差別或いは,生活環境の変化によって支援を必要とする人々に対する救援,生活に関する相談,その他の援助活動事業
 (2) 中国その他アジア各国からの帰国者に対する,日本の社会への順応のための生活援助,相談等,社会福祉事業
 (3) 日本に滞在する諸外国人に対する日本語教室事業  
 (4) 道徳や慈善に関する啓蒙活動の推進および人材の育成事業   
 (5) 中国の文化遺産の展示その他中国文化紹介のための諸活動  
 (6) 不動産賃貸事業  
 (7) その他前条の目的を達成するために必要な事業
2 前項の事業は本邦および海外において行う。
第2章 会        員
(会員の資格)
第5条 本会の会員は,次の5種とし,選定会員をもって一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(以下,「法人法」という。)上の社員とする。  
 (1) 選定会員 本会の目的に賛同して入会した会員のうち,別に定める入会審査規定に従って選定された者  
 (2) 維持会員 本会の目的に賛同し,選定会員の年会費と同等の会費を納入した会員で,選定会員でない者     
 (3) 準 会 員 選定会員として選定された後,2年以上会費を納入せず,選定会員 資格を失った者  
 (4) 賛助会員 他団体の推薦を受けて,当会の目的に賛同するに至り,規定の会費を納入した者
 (5) 家族会員 選定会員の家族(直系血族・兄弟姉妹および配偶者)であって,選定会員に定められた会費の2分の1に相当する額を納入した者 
(資格の取得)
第6条 選定会員として入会しようとする者については,別に定める入会審査規定に従い,理事会が入会の適否を判断するものとし,理事会の承認があった時点で,資格を取得する。   
2 理事会が,入会審査に際して,審査すべき事項は下記の通りとする。    
 (1) 災害救援活動,国際交流事業,文化紹介活動に関し,相当な知見を有すること    
 (2) 反社会的集団への帰属,会員総数の4分の1以上の者との特別利害関係の存在等,本会の公正な運営の妨げとなる事由のないこと   
3 維持会員になろうとする者は,理事会の定める入会審査規定に従って,会長に申込をするものとする。   
4 賛助会員については,他団体の推薦のもと,会長に申込をすることにより,賛助会員の身分を得るものとする。なお,推薦者となる団体については,理事会が選定 する。   
5 家族会員については,選定会員との家族関係を示す資料を添えて,会長に申込をすることにより,家族会員の身分を得るものとする。   
6 入会審査規定は,総会決議により定めるものとする。
(会員の権利義務)
第7条 会員は,本会の事業活動につき,この定款及び総会の決議に基づき権利義務を有する。
(資格の喪失)
第8条 会員は,次の各号の一に該当する場合に至ったときは,その資格を失う。  
 (1) 退会したとき  
 (2) 死亡し,若しくは失踪宣告を受け,又は法人である会員が解散したとき  
 (3) 除名されたとき   
2 選定会員が2年以上会費を滞納したときは,選定会員資格を失う。
(退 会)
第9条 本会を退会しようとする者は,理事会において別に定める退会届を会長に提出することにより,任意に退会することができる。
(除 名)
第10条 会員が,次の各号の一に該当する場合には,総会において,総選定会員の議決 権の3分の2以上の多数による決議により,その会員を除名することができる。    
 (1) 会員としての義務の履行を怠ったとき    
 (2) 本会の名誉を毀損し,又は本会の目的に反する行為があったとき
 (3) この定款その他の規則に違反したとき
2 前項の規定により会員を除名しようとする場合には,その会員に総会で弁明の機会を与えなければならない。
(会 費)
第11条 総会の決議を経て別に定めるところにより,選定会員,維持会員および賛助会員は,入会金及び会費を,家族会員は,選定会員に定められた会費の2分の1に相当する額を,それぞれ納入するものとする。    
2 既納の入会金及び会費は,原則としてこれを返還しない。
第3章    役     員
(役員の種類)
第12条 本会に次の役員を置く。         
 理事          5名以上11名以内           
 うち 会  長   1名
 副 会 長      2名以内
 専務理事        1名              
 常務理事        1名         
 監事          1名以上2名以内
(役員の選任)
第13条 理事及び監事は,総会においてこれを選任する。    
2 理事の中から,理事会決議により,会長,副会長,専務理事および常務理事を選任する。 3 前項の会長をもって,法人法第77条に定める代表理事とし,専務理事および常務理事をもって,同法第91条第1項第2号に定める業務執行理事とする。
4 各理事について,当該理事及びその配偶者又は三親等以内の親族その他特別の関係がある者である理事の合計数が,理事の総数の3分の1を超えてはならない。
5 他の同一の団体(公益法人を除く。)の理事又は使用人である者その他これに準ずる相互に密接な関係にある者である理事の合計数が理事の総数の3分の1を超えてはならない。
6 理事及び監事は,相互にこれを兼ねることができない。
(役員の職務)
第14条 会長は,法令及びこの定款で定めるところにより,本会を代表し,会務を総理 する。
2 専務理事及び常務理事は,会長を補佐し,理事会の議決に基づき,本会の業務を分担執行する。
3 会長,専務理事及び常務理事は,毎事業年度に4ヶ月を超える間隔で2回以上,自己の職務の執行の状況を理事会に報告しなければならない。
4 理事は,理事会を構成して,法令およびこの定款に定めるもののほか,本会の総会の権限に属せしめられていない事項の議決に参画する。
5 監事は,この法人の業務及び財産に関し,次の各号に規定する職務を行う。    
 (1) 法人の財産及び会計の状況を監査すること
 (2) 理事の業務執行の状況を監査すること
 (3) 財産の状況又は業務の執行について不正の事実を発見したときは,これを理事会に報告すること
 (4) 前号の報告をするため必要があるときは,理事会を招集すること
(役員の任期)
第15条 理事及び監事の任期は,この定款により選任後2年以内に終了する事業年度の うち,最終のものに関する通常総会の終結の時までとする。ただし,再任を妨げない。
2 補欠として選任された理事又は監事の任期は,前任者の任期の満了する時までとする。
3 理事又は監事は,第12条に定める定数に足りなくなるときは,任期の満了又は辞任により退任した後も,新たに選任された者が就任するまで,なお理事又は監事としての権利義務を有する。
(役員の解任)
第16条 役員が次の各号の一に該当するときは,総会において,総選定会員の議決権の 過半数の総会決議を経てこれを解任することができる。ただし,監事を解任する場合には,総選定会員の議決権の3分の2以上の多数による総会決議を経なければならない。また,総会で議決する前に,当該役員に弁明の機会を与えなければならない。
 (1) 心身の故障のため,職務の執行に堪えないと認められるとき
 (2) 職務上の義務違反その他役員たるにふさわしくない行為があると認められるとき
(役員の報酬)
第17条 理事及び監事の報酬は、総会で決議された役員報酬規程に従って支給するものとする。
(役員の損害賠償責任の免除)
第18条 本会は,法人法第114条第1項の規定により,理事又は監事が任務を怠ったことによる損害賠償責任を,理事又は監事が職務を行うにつき善意でかつ重大な過失がない時は,法令に規定する額を限度として理事会の決議により免除することができる。
(外部役員の責任限定契約)
第19条 本会は,法人法第115条第1項の規定により,外部理事又は外部監事との間に,当該外部理事又は外部監事が職務を行うにつき善意でかつ重大な過失がないときは,任務を怠ったことによる損害賠償責任を限定する契約を締結することができる。ただし,その契約に基づく賠償責任の限度額は,金10万円以上で契約時に予め定めた額と法令の定める最低責任限度額とのいずれか高い額とする。
第4章 顧    問
(顧 問)
第20条 本会に名誉会長及び顧問若干名を置くことができる。    
2 顧問は,理事会の意見を聞き,会長がこれを委託する。    
3 名誉会長及び顧問は,本会の業務運営上の重要な事項について,会長の諮問に応ずる。
第5章 理   事   会
(構 成)
第21条 本会に理事会を置く。
2 理事会は,すべての理事をもって構成する。
(権 限)
第22条 理事会は,次の職務を行う。
 (1)  この法人の業務執行の決定
 (2)  理事の職務の監督
 (3)  会長,副会長,専務理事及び常務理事の選定及び解職
 (4)  事業計画および収支予算の策定
(開 催)
第23条 理事会は,毎事業年度開始前及び事業年度終了後3ケ月以内に開催するほか,必要がある場合に随時開催する。
(招 集)
第24条 理事会は,会長が招集する。
2 理事または監事から会議の目的たる事項を示して請求があったときは,会長は10日以内に理事会を招集しなければならない。
3 理事会は少なくとも期日の3日前に会議で議決すべき事項を文書で示して,会長が招集しなければならない。
4 会長が欠けたとき又は会長に事故があるときは,各理事が理事会を招集する。
(議 長)
第25条 理事会の議長は,会長がこれにあたる。但し,会長が欠席の場合には,副会長,専務理事または常務理事のいずれかが議長の職務を代行する。また,同理事らのいずれもが欠席の場合は,出席者の互選により議長を選任する。
(決 議)
第26条 理事会の決議は,決議について特別の利害関係を有する理事を除く理事の過半 数が出席し,その過半数をもって行う。
2 前項の規定にかかわらず,法人法第96条の要件を満たしたときは,理事会の決議があったものとみなす。
(議事録)
第27条 理事会の議事については,法令で定めるところにより,議事録を作成する。
2 出席した代表理事及び監事は,前項の議事録に記名押印する。
第6章 総 会
(構 成)
第28条 総会は,第5条の選定会員をもって構成する。
2 前項の総会をもって法人法上の社員総会とする。
(総会の招集)
第29条 通常総会は,毎事業年度終了後3ヶ月以内に,理事会の決議に基づき,会長が招集し開催する。通常総会をもって、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第36条1項に定める定時社員総会とする。
2 臨時総会は,理事会が必要と認めたとき,理事会の決議に基づき,会長が招集する。
3 前項のほか,選定会員現在数の10分の1以上から会議に付議すべき事項および招集の理由を示して総会の招集を請求されたときは,会長は臨時総会を招集しなければならない。
4 総会の招集においては,少なくとも7日以前に,選定会員に対し,その会議に付議すべき事項,日時及び場所を記載した書面をもって通知する。
(総会の議長)
第30条 総会の議長は,会長がこれにあたる。会長が欠けた時または会長に事故ある時は,出席者の互選によって議長を選任する。
(議決権)
第31条 総会における議決権は,選定会員1名につき1個とする。
(総会の定足数及び決議)
第32条 総会は,選定会員現在数の過半数の者が出席しなければ,議事を開き議決する ことができない。ただし,当該議事につき書面をもってあらかじめ意思を表示した者及び他の選定会員を代理人として表決を委任した者は,出席したものとみなす。
2 総会の議事は,この定款に別段の定めがある場合を除くほか,選定会員である出席者の過半数をもって決する。
3 理事又は監事を選任する決議を行うに際しては,候補者ごとに第1項の決議を行わなければならない。理事又は監事の候補者の合計数が第12条に定める定数を上回る場合には,過半数の賛成を得た候補者の中から得票数の多い順に定数の枠に達するまでの者を選任することとする。
(総会の議決事項)
第33条 総会は,次の事項を議決する。   
 (1) 事業報告及び収支決算についての事項   
 (2) 正味財産増減計算書,財産目録及び貸借対照表についての事項   
 (3) 入会審査規程についての事項   
 (4) 会員の権利義務及び除名についての事項   
 (5) 会費についての事項   
 (6) 役員の選任及び解任についての事項   
 (7) 基本財産の処分についての事項   
 (8) 定款の変更及び施行細則についての事項   
 (9) 法人の解散についての事項
 (10) 公益認定の取消し等に伴う贈与に関する事項
 (11) 残余財産の帰属についての事項
 (12) その他総会で決議するものとして法令で定められた事項 
(会員への通知)
第34条 総会の議事の要領及び議決した事項は,電磁的記録または会報に記載することにより全会員に通知する。
(議事録)
第35条 総会の議事については,法令で定めるところにより,議事録を作成する。
2 議長及び総会において選任された議事録署名人2名以上は,前項の議事録に記名押印する。
第7章  
資 産 及 び 会 計
(基本財産)
第36条 この法人の基本財産は、基本財産とすることを、理事会で決議した財産とする。
2 前項の財産は、この法人の目的を達成するために、善良な管理者の注意をもって管理されなければならず、処分するときは、あらかじめ理事会及び総会の承認を要する。
(基本財産の処分の権限)
第37条 基本財産は,譲渡し,交換し,担保に供し,又は運用財産に繰り入れてはならない。ただし,この法人の事業遂行上やむを得ない理由があるときは,理事の現在数の3分の2以上の多数による理事会決議および総選定会員の議決権の3分の2以上の多数による総会決議を経て,これらの処分をすることができる。
(事業年度)
第38条 本会の事業年度は,毎年4月1日に始まり,翌年3月31日に終わる。
(事業計画及び収支予算)
第39条 本会の事業計画及び収支予算は,毎事業年度開始前に会長が作成し,理事会の 決議を経なければならない。    
2 事業年度の途中において,事業計画及び収支予算を変更しようとするときは,前項の規定を準用する。
3 事業計画書および収支予算書については,その写しを,事務所に,当該事業年度が終了するまでの間,備え置かなければならない。
(事業報告及び決算)
第40条 本会の事業報告及び収支決算については,毎事業年度終了後,会長が次の書類 を作成し,監事の監査を受けた上で,理事会の承認を受けなければならない。
 (1)  事業報告及び収支決算書
 (2)  事業報告の附属明細書
 (3)  貸借対照表
 (4)  正味財産増減計算書
 (5)  貸借対照表及び正味財産増減計算書の附属明細書
 (6)  財産目録
2 前項の承認を受けた書類のうち,第1号,第3号,第4号及び第6号の書類については,通常総会に提出し,第1号の書類については,その内容を報告し,その他の書類については承認を受けなければならない。
(行政庁への提出書類)
第41条 次に掲げる書類は,毎事業年度開始の日の前日までに行政庁へ提出しなけれ ばならない。
 (1)  事業計画書
 (2)  収支予算書
 (3)  資金調達及び設備投資の見込みを記載した書類
2 次に掲げる書類は,毎事業年度の経過後3ヶ月以内に,第29条に基づく通常総会終了後,速やかに行政庁へ提出しなければならない。
 (1)  貸借対照表,損益計算書および正味財産増減計算書
 (2)  財産目録等
 (3)  滞納処分に係る国税及び地方税の納税証明書
 (4)  運営組織及び事業活動の状況の概要及びこれらに関する数値のうち重要なものを記載した書類 第8章 定款の変更及び解散
(定款の変更)
第42条 この定款の変更は,総選定会員の議決権の3分の2以上の多数による総会決議をもって行わなければならない。ただし,公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律第11条第1 項各号記載の点について変更を行う場合には,総会決議の前に,行政庁の認定を受けなければならない。
(解 散)
第43条 この法人の解散は,総選定会員の議決権の3分の2以上の多数による総会決議をもって行わなければならない。
2 前項により解散をしたときは,当該解散の日から1ヶ月以内に,その旨を行政庁に届け出なければならない。
(公益認定の取消し等に伴う贈与)
第44条 この法人が公益認定の取消処分を受けた場合又は合併により消滅する場合(そ の権利義務を承継する法人が公益法人であるときを除く。)には,総会の決議を得て,公益目的取得財産残額に相当する額の財産を,当該公益認定の取消しの日又は当該合併の日から1ヶ月以内に,公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律第5条第17号に掲げる法人又は国若しくは地方公共団体に贈与するものとする。
(残余財産の帰属)
第45条 この法人が清算をする場合において有する残余財産は,総選定会員の議決権の3分の2以上の多数による総会決議を得て,公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律第5条第17号に掲げる法人又は国若しくは地方公共団体に贈与するものとする。
第9章 雑       則
(書類及び帳簿の備付等)
第46条 本会の事務所に,次の書類及び帳簿を備えなければならない。ただし,他の法 令により,これらに代わる書類及び帳簿を備えたときは,この限りではない。
 (1)   定款
 (2)   社員(選定会員)名簿
 (3)   理事および監事の名簿
 (4)  認定,許認可および登記に関する書類
 (5)  理事会および総会の議事に関する書類
 (6)  財産目録
 (7)  事業計画書および収支予算書
 (8)  事業報告および計算書類
 (9)  監査報告
 (10)  役員等の報酬規程
 (11)  貸借対照表及びその附属明細書
 (12)  その他法令で定める帳簿および書類
2 前項各号の帳簿及び書類の閲覧については,法令の定めによるほか,別に理事会決議により定める情報公開規程によるものとする。
(公告の方法)
第47条 本会の公告は,主たる事務所の公衆の見やすい場所に掲示する方法により行う。
(細 則)
第48条 この定款の施行についての細則は,理事会及び総会の議決を得て,別に定める。 附 則  
1 この定款は,一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律第106条第1項に定める公益法人の設立の登記の日から施行する。  
2 この法人の最初の代表理事(会長)は黒川謙介とする。  
3 一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律第106条第1項に定める特例民法法人の解散の登記と公益法人の設立の登記を行ったときは,第38条の規定にかかわらず,解散の登記の日の前日を事業年度の末日とし,設立の登記の日を事業年度の開始日とする。

       

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                                 公益社団法人日本紅卍字会役員名簿
                                               令和7年5月24日現在

役職名 氏名 生年月 就任年月日
代表理事会長 黒川謙介 S26-11 平成10年5月
専務理事 田畑治樹 S24-3 平成16年5月
理  事 天野三千博 S34-11 平成27年5月
理 事 一色源太郎 S42-1 平成29年6月
理 事 新井和治 S24-9 令和元年6月
 理 事 野原次男 S22-5 令和5年5月
 社外理事 奥沢啓央 S50-8 令和7年5月新任
監 事 野村和久 S33-12 令和3年12月
社外監事 松本愛彦 S20-8 令和7年5月新任